恋愛、趣味、仕事…ネットで「いい出会い」をするにはコツがある

事件の引き金となるネットの出会いコツを知れば、良い人と知り合える

今年一番と言っていいほど、大きな衝撃を与えた座間9遺体事件。1人の男性が住むアパートで、男女9人の遺体が見つかったこの惨事では、その猟奇性に多くの人が絶句したのではないか。

 この事件をもたらしたのは、SNSだった。事件の首謀者となる白石隆浩容疑者は、自殺願望を匂わせるコメントをツイッター上に投稿した女性にネット上で接近。「一緒に死のう」とSNSで呼び出した後、問題のアパートに連れ込んだと見られている。

 このような事件があると、どうしても「ネットの出会い=危険・悪」と考えてしまいがちだ。他の事件でも、「ネットがきっかけ」と盛んに報じられるケースもある。

 だが、決してネットの出会いは悪いものばかりではないだろう。実際、さまざまな人に尋ねると、いい出会いを経験している人もいた。

 ただし、ネットの出会いをいいものにするには、コツもあるらしい。それは「ネットのいい出会い経験者」の話を聞いている中で浮かび上がってくる。

 そのあたりにも焦点を当てながら、ネットのいい出会いについてのエピソードを紹介しよう。

若者は普通にやっている“出会い系”本当にそこから付き合えるのか?

 やはり「出会い」といえば、恋愛関係をイメージする人が多いのではないか。かつてネットが普及し始めた頃は、「出会い系」というと人に隠れてコソコソやるものであり、少数の人しか経験のないものだったが、実は今、ネットによる「出会い系」は若い人にとってハードルの低いものになっている。

 その主役が「出会い系アプリ」だ。

 スマホからアプリに写真やプロフィールを登録し、自分が出会いたい相手の条件(年齢や住んでいる地域、中には年収を書くケースも!)を入れると、それに合致する相手のプロフィールが何人も表示される。その中で気に入った相手とメッセージ交換を始め、いずれ会うのだ。

 20代~30代では、こういった出会い系アプリを普通に楽しんでいる人が多く、やっていることを隠そうともしない。日常的なものになっている。

 では、そこから本当にいい出会いは生まれるのか。出会い系アプリを始めて3年ほどになるMさん(20代後半・女性)は、「アプリで知り合った男性と1年ほど付き合っている」と話す。

「出会い系アプリは、男性の多くがカラダ目当てで、真剣な恋人探しというより“女遊びの相手”を探す人が多いと言われます。それは実感しますね。アプリにもよりますが、結婚相手を探すツールとして大々的に謳っているものでも、会った男性の半分はカラダ目当てでした」

 彼女がまず話したのは、出会い系アプリのネガティブな印象だった。他に聞き取りした女性も、やはり「遊び目的の男性が多い」という。加えて、「同時に何人もの人と会っているケースが多く、最初は『遊びたがりばかり』という印象だった」とMさんは話す。

「一度はそれでアプリをやめたのですが、やはり出会いがないんですよね。確かに遊んでいる人は多いですが、それでもやらないよりは確実にいい。出会いの数が全然違いますから。そこで、アプリなりの出会い方や戦略を考えました」

出会い系アプリで必要な「戦略」簡単に会えるからこそ“時間を使う”

 確かに遊び人は多いかもしれないが、「真面目な人がゼロなわけではない」とMさんは考えた。

 そこで、彼女はそれまで複数の人と同時に会うことはしなかったが、ここからはとにかく何人もの男性とメッセージをやりとりし、いい人と思ったらどんどん会うようにした。「月曜、火曜、水曜と別の男性に会うこともありました」と話す。

「もちろんご飯に行くだけで、もし男性に告白されたりアプローチされたりしてもはぐらかします。すると、男性はだんだん私から離れるんですね。相手も他にやりとりしている女性がいるので、私を切って向こうに行くんです。でも、その中で辛抱強く私と会い続けてくれる人がいました。それが今の彼です」

 彼女は、あえて何人もの男性を候補にし、時間という“ふるい”にかけて相手の真剣度を試した。その中で残った人を選んだという。

 Mさんは「ネットはインスタントに出会えるため、少し気に入らなければすぐにやめて他の人を探せます。その環境にもかかわらず、長期間粘って自分と会ってくれる人は本物」という。実際、今の彼と付き合ったのは、出会ってから6ヵ月ほどだった。デートも20回近く重ねたという。

 なお、その彼氏は当時何度もあきらめようと思ったが、彼女自体への評価が落ちず、ずっと会い続けたようだ。

 もう1人、出会い系アプリをきっかけに交際したことのあるKさん(30代前半・女性)は、「ネットはたくさんの人と出会えるので、自然と目が肥えたり、基準が高くなったりしがち」と話す。

「ただ、やはりそれだけの人に会えるのはメリットです。以前はせいぜい合コンで会うしかなく、1回に知り合うのは3人程度。街コンなどで知り合うにしても、自分は社交的ではないので、短い時間で相手と距離を縮めるのは難しいですよね」

 そんな彼女にとって、出会い系アプリはちょうど良かったようだ。ただし、「ネットでいい出会いを生むには、相手に期待しないこと」と付け加える。Kさんは、当初相手を信用しすぎたり、高スペックなプロフィールに魅せられたが、大抵そういうものは「期待はずれに終わる」と感じた。

ネットが生んだ異業種への転職SNSのメッセージをフル活用

 恋愛の出会いについては分かったが、仕事に関連する出会いはどうだろうか。仕事の出会いは、失敗すれば経済的な損失を生みかねない。となれば当然失敗したくないし、逆にネットの出会いが利益を生むなら利用しない手はない。

 現在、出版系の制作会社に勤めるOさん(20代後半・男性)は、「今の会社に入ったのもネットの出会いがきっかけ」だと話す。

「別の業界の企業に勤めていたのですが、もともとこの出版系に入りたくて、新卒から4年ほど経った時に転職を考えました。ただ、経験がモノを言う業界ですし、人脈もまったくありません。まずは誰かこの業界で働いている人とつながりが欲しかったんです」

 とはいえ、当時の彼の前職は多忙を極め、例えば平日に行われるセミナーや社会人講座に行くことはできなかった。自分とは遠い出版業界の人脈を作る時間は皆無だったのである。

「そこで、ツイッターやフェイスブックを駆使しました。といっても、基本的には出版系の会社で働いている人にメッセージをどんどん送りつけただけでしたが…。相手にとっては迷惑だったと思います。実際、ほとんど返信はなかったので」

 だが、その中でごく稀に返信が来ることがあった。そして、彼の今の仕事や出版系に転職してやりたいことをSNSでやりとりし、いざ会うことになったという。「100件メッセージを送って、1~2人返信が来るレベル」だったが、それでも会えることが最大の成果だった。

「その中の1人が、今の制作会社の社員でした。それで、自分があと半年ほどで会社を辞める旨を伝えると、まずはアルバイトとして数ヵ月雇ってもいいという話になりました。いわば試用期間ですね。それで問題なければ…ということでした。以後、無事にバイト期間を終えて、社員になりました。ネットがなければ、全く別の業界からこうして移って来れなかったでしょうね」

「空振りありき」で会うのが大切人材不足で活用すべきネットの出会い

 今回いろいろとリサーチすると、ネットにおける仕事の出会いは、恋愛と同様に「空振りが多い」という声が目立った。

 具体的には、会ってみると事前のプロフィールとは全く違ったり、期待はずれの実力だったり、さらには無断で約束をすっぽかしたり、というものだ。そのため、あまりネットの出会いに乗り気でない人も多い。

 Oさんも、それは否定しない。だから、ネットで誰かにアプローチしても返信がないのは「当然のこと」だという。ただ一方で、実際に彼と会い、社員にまで登用した人は「どうせダメなやつが来ると思っていて、全く期待していなかった」ようだ。

 だからこそ、彼と会うのも最初は仕事が終わった後の時間を使い、アルバイトで雇用した時も、すぐに辞めるか、使い物にならないケースを想定していたようだ。つまり“空振りありき”でOさんと出会ったという。

「そうはいっても、業界的には人材不足で、人を取る必要性を感じていたようです。だからこそ、空振りありきでも会ってもらえました。また、ネットの出会いをダメと決めつければ、そこで会えたかもしれないいい人材も捨てることになりますよね。ですから、なるべくコストをかけず、空振りでもダメージを受けない形で出会うことを考えていたようです。むしろそういった手法を確立すれば、ネットでの出会いは人材発掘に大きなメリットとなるかもしれません」

 今やSNSは誰もが使うツール。そこからビジネスの出会いが生まれる機会はたくさんあるはずだ。それを「ネットの出会いは信用ならない」とすべて放棄するのは損失。空振りまで想定した出会い方を構築すれば、いい人材を見つけることにも繋がる。

知り合ってからすぐに会ってはダメネットで趣味友を見つけるには

最後に、「趣味」についてはネットで良い出会いがあるのだろうか。こちらは、多くの人からいい体験談が聞かれた。以下のようなものだ。

「あるアイドルが好きで、どんな地方のコンサートでも行っている。ただ、1人で行くのは寂しくて、同じアイドル好きの仲間を探していた。ツイッターならファンをたくさん見つけることができるので、その中で少しずつやりとりして、今では毎日LINEで情報交換する中に。当然コンサートも一緒に行ってます」(30代前半・女性)

「釣りが好きで、釣った魚をツイッターに上げていたら、同じ人からよくコメントが来るように。なんでも釣りを始めたばかりで色々知りたかったらしい。最初はツイッター上でやりとりしていたが、半年ほど経ってたまたま同じ地域に行くことがあったので、一緒に釣りをすることに。同じ趣味を持っているのですぐに仲良くなるし、教える側と教えられる側の立場がはっきりしていたので楽しめた。今も3ヵ月に1度くらいは会う」(30代後半・男性)

「社会人になると、今までの自分の交友範囲から大きく外にいる人と出会う機会は少ない。大抵は仕事関連、友人関連になる。そのなかで、ネットはまったく外の人と会うチャンスを作れる。何も理由なく会うのは難しいので、共通の趣味があればいい。私はプラモを作って写真に撮るのが好きで、最初はそれをSNSで見せ合うところから始まった」(30代後半・男性)

 なお、こういった出会いにもコツはある。多くの人のエピソードにあるように、SNSで知り合ってからも、まずは何ヵ月もネット上だけでコミュニケーションを続けることだ。その期間が長ければ長いほど、相手の人柄がわかるという。

 逆に、いくら気が合いそうでも、すぐに会うと失敗につながるという。いかに出会うまでを気長に過ごせるかが重要かもしれない。

 ネットの出会いについて、どうしても悪い部分が大きく取り上げられるケースが多い。あるいは、悪い部分はインパクトがあり印象に残りがちだ。もちろん、そういった危険性を無視してはいけないが、一方でネットが出会いのチャンスを大きく広げたことも見ておいたほうがいいだろう。

 そうすれば、恋愛、仕事、趣味などにおいて、思わぬ人と知り合えるかもしれない。

参考文献:DIAMOND online

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