マッチングアプリって実際どう?結婚成立の男性「ある意味、仕組まれた恋愛」衝撃的な洗礼も

この夏、若者に人気のマッチングアプリ「ペアーズ」が、渋谷を中心に大規模な広告キャンペーンを行った。出演しているのはペアーズを介して出会い、入籍まで至った“結婚成立カップル”。今回はそのうちの1組の新郎に、マッチングサービスでの出会いのメリットやデメリット、マッチングの精度を上げるコツなどを聞いてみた。初めてペアーズを介して女性と会ったときは、“衝撃的な洗礼”を受けたという…。

渋谷にカップルの街頭広告

この夏、渋谷のスクランブル交差点にあるカップルの街頭広告が登場した。ポスターでは男女が仲睦まじくポーズを取り、キャッチコピーには「ペアーズは、最先端の仲人ですね」とある。累計会員数600万人を超える人気のマッチングアプリ「ペアーズ」で出会って交際を始め、入籍まで至った“結婚成立カップル”だ。

ペアーズを運営するエウレカ(本社・東京都)は8月、渋谷エリアで大規模な広告キャンペーンを行った。渋谷や表参道の18カ所で冒頭のポスタージャックを展開したほか、入籍カップル出演の動画を街頭ビジョンで映した。

オンライン上での恋人探しを助けるマッチングサービスの認知度は日増しに上昇し、国内市場は右肩上がりを続けている。モバイル関連の調査会社、MMDLabo(本社・東京都)が16年2月に発表した調査では、20-39歳の男女7245人のうち、約4割が「マッチングサービスを知っている」と答えた。さらに、2015年に120億円だった市場規模は17年には73%増の208億円、22年には577億円にまで拡大すると予測されている(マッチングアプリ運営のマッチングエージェント社調べ)。

15年以降の市場成長の牽引役はスマホアプリだ。近年ではリクルートやマイナビなど大手事業者の参入が相次ぎ、いわゆる出会い系サイトと比べて健全性・安全性が高いことからサービス利用へのハードルが下がっている。SNS感覚で始められる気軽さも人気の要因の一つだ。

だが、先行する欧米と比べると、日本はまだ“オンライン・ラブ”の発展途上国。筆者も30代同僚男性にマッチングサービスについて話したところ、「ネットでの出会いって怖くない? 20代は平気なものなの?」と不安げな様子だった。

実際のところ、現実世界での出会いとマッチングサービスでの出会いに大きなギャップはあるのか。「みんな絶対するべき」と話す、冒頭の街頭広告にも出演した“結婚成立カップル”の新郎に、体験談をもとにメリットやデメリットについて聞いてみた。

「3万円で結婚できました」。都内でベンチャー企業を経営する仁田坂淳史さん(31歳)は昨年末、ペアーズを利用し始めて3カ月目に出会った女性と結婚した。

ペアーズを使うようになったきっかけは、30代に差しかかり結婚を意識した恋愛がしたいと思い始めたからだ。「数社のサービスを利用してみて、自分と合いそうな方が多く、課金しなくても成果が出そうなペアーズにしぼりました」(仁田坂さん)。いまや10以上もあるマッチングサービスのほとんどは無料で登録ができるが、課金することでメッセージが送れる、複数人とマッチングする機会が増えるといったオプションを各社が設けている。

さらに、仁田坂さんは1デート当たりの課金コストを下げるために、膨大な調査分析を重ねた。「女性と違い、男性側ってなかなか異性とマッチングしないんです。マッチング後、いい雰囲気でやり取りを重ねていても、途中で連絡が途絶えることは日常茶飯事。デートまでにそれなりの時間的・金銭的コストがかかる。そこで、まずは複数のマッチングサービスを始め、約300人分の男性のプロフィールを分析しました。清潔感のあるプロフィール文章を研究し他の人が送らない、目を惹くメッセージをテンプレート化することでマッチング精度を上げました」(仁田坂さん)

その結果、1回のデートに至るまでのコストを、研究前にかかっていた1万円から3500円程度に下げることに成功。1回のデートに1万円かかっていては何人もの女性に会うことも難しいが、3500円に下げられたことで複数回のマッチングを行うことができた。後の奥様となる“運命の女性”と出会う前に、ペアーズを介して約10人とデートしたことから、「“たった3万円の投資”で結婚できた」というわけだ。

「運営企業のエウレカにも興味がありました。他の企業と違い、人工知能(機械学習)をちゃんと使っているところが面白いと思ったんです」と仁田坂さんは続ける。「実は、プロフィール画像を見た第一印象では、妻と私、お互いピンとこなかった。ぼくに『いいね』をくれた妻ですが、ぼくの顔は別にタイプじゃなかったそうです。ただ、趣味や住む場所、考え方に共通点が多く、 “相性が良い”とアプリ内で表示されていたのと、メッセージのやりとり頻度や内容がちょうど良かった。実はこれ、たまたまではなくて、“仕組まれた”恋愛だったんですけど」(仁田坂さん)

マッチングサービスは、GPSを利用して測った距離が近い人同士や、趣味が同じ人同士など、サービスごとにマッチングの指標が異なる。ペアーズの場合はプロフィールや趣味といった指標のほか、ログイン時間や自己紹介メッセージの含意などユーザーにとって可視化されていないポイントも人工知能が解釈し、気の合う人を勧めてくれる仕組みになっている。「無事に付き合えてもメッセージのやり取りにギャップがあると、いさかいになりそうじゃないですか。そういうコミュニケーションの相性もペアーズのシステムが見抜いてくれます。助産師として働いている妻とやりとりできる時間帯が合ったんです。人工知能は人間が言語化できないニュアンスやフィーリングを解釈してくれる」(仁田坂さん)

エウレカで広報を担当している田山慶子さんにも話を聞くと、「例えば仁田坂さんの場合は、奥様が『笑わせてくれる人がすき』というコミュニティーに入っていました。仁田坂さんのプロフィール写真のほとんどが笑顔だったので、これも人工知能がお二人の相性が良いと判断した指標の一つです」とのこと。仁田坂さんの例以外にも、同じコミュニティーに入っていなくても、「散歩好き」と「カメラ好き」の二人は相性が良いと判断するなど、自身だと見落としそうなポイントに対しても人工知能が働く。

実際に、初めて会ってからたった9日で交際に至るほど相性が良かった。だが、前述のとおり、現在の妻と出会うまでには約10人とデートをした。その中には“マッチングサービスの洗礼”とも言うべき衝撃的な体験もあったのだ。

衝撃的な洗礼も

「ペアーズを続けていると、いつか結婚できそうな女性と会える」と仁田坂さんが感じたきっかけには、ペアーズで初めて会った女性との衝撃的な体験があった。「外資系化粧品会社に勤務している女性で、カフェで30分ほど話をして『次のお店に行きましょうか』と促したところ、『興味がないのでここで帰ります』と言われたんです。驚きましたが、逆にすごく好感が持てました。ほかにも僕が出会った女性たちは結婚に真摯に向き合い、合理的に無駄なく婚活を進めていた。見切りが早く、後腐れもない。これを続けたら絶対彼女できるよなと、ペアーズで最初に会った女性の洗礼を受けて思いました」(仁田坂さん)

マッチングサービスを使っていると「ネットワークビジネス」「マルチ商法」の勧誘をするユーザーもいたという。「マッチングサービスに向いている人は、上手くいかなくなったら試行回数を増やすしかないと『切り替えられる人』、マルチに引っかからない『嘘を見抜ける人』」(仁田坂さん)

ただ、最近ではユーザーの“残念な使い方”が目につくという。「15年頃から、女性誌などでマッチングサービスの対策特集が組まれるようになりました。そこではマッチングしたいなら●●すべき、と書かれている。そうすると、『みんな同じ』になってしまうんです。フィットネスジムに通い、筋肉を鍛えることが好きな妻も初めは自分の趣味を隠していましたが、ジム通いをオープンにしたことで人工知能が反応し、僕とマッチングしました。みんなと違っても盛ったりせず、自分に正直なプロフィールにした方がマッチングの精度は上がると思います」(仁田坂さん)

エウレカの田山さんによると、「ペアーズのマッチングの精度は、機械学習によって高まります。アプリ内のコミュニティーに入ったり、気になる相手に『いいね』を送ったりと自分から積極的にアクションを起こし、アプリを使えば使うほど理想的な出会いに近づく」とのこと。

周囲の理解も得られた。「お互いの両親は最初、いわゆる出会い系サイトで知り合った仲だと思っていたようです。比較的、情報感度の高い親だったので、マッチングサービスだと説明すると納得してくれました。周囲も、アメリカの状況を説明したりすると共感してくれました。それどころか『実はうちもなんだ』と打ち明けてくれる人が結構いました」(仁田坂さん)

米国では、結婚したカップルの3組に1組がオンライン経由で知り合ったという調査結果がある。05年から12年に結婚した1万9千人以上を対象に行われた調査で、米国ではネット上での出会いが社会に浸透しつつあることが示された。

「マッチングサービスは出会いのバリエーションが増えるだけ。出会った後は普通の恋愛なんです。社会人になると同業や近しいコミュニティーの人としか出会えなくなるが、むしろ逆。マッチングサービスだと異業種の人とも知り合うことができ、出会いの幅が広がる。たとえ数回、マッチングサービスで危険な人と会ったとしても、マッチングサービスで知り合える人全員が危ないって決めつけるのは違うと思います。これから人口減少が進んで出会いの数自体が減る一方。ならば、より効率良く相性の良い人と会うためにマッチングサービスは出会いのスタンダードになっていくのではないでしょうか」(仁田坂さん)

どこからか相性の良い男女を見つけてきては二人をくっつける“仲人おばさん”。いつのまにかいなくなったと思っていたが、これからはさらにパワーアップした“AI仲人”がその役目を引き継ぎそうだ。

参考文献:SankeiBiz

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