怪しくないネットの出会い!?今時の若者に「恋活」アプリが人気

20~30代の若者を中心に広まる「婚活」ならぬ「恋活」。恋愛対象を積極的に探す活動のことをいうが、そのきっかけづくりに活用するのが「恋活アプリ」と呼ばれる恋愛・婚活マッチングサービスだという。

身近になるネット恋愛SNS感覚の出会い

「新卒で入った職場は部署を超えての交流はほとんどなく、出会いもない状況だったんです。それで、スマホで出会えるマッチングサイトに登録しました。ここで知り合った3歳年上の彼女とは、2人の職場が近い渋谷周辺で飲むようになって付き合い始めました」

こう語るのは、都内のWebサービス企業に勤める上坂峻さん(仮名・27歳)。彼が利用しているのは、インターネット上にプロフィールを登録し、恋人や結婚相手を見つける「恋活アプリ」。若い世代にとっては、ごくありふれた出会いのひとつなのだという。

人気恋活アプリのひとつ「Pairs(ペアーズ)」を運営する、株式会社エウレカ広報の田山慶子さんは、こう語る。

「現在、Pairs利用者のボリュームゾーンでもある20代半ば~30代半ばは、学生時代から個人の携帯電話を所持し、mixiやFacebookなどのSNSに慣れ親しんできた“デジタルネイティブ世代”です。Facebookでは、自分の顔写真はもちろん、実名や生年月日、出身校などの詳細な個人情報をインターネット上で公開し、リアルな交友関係を築きます。ほかにもTwitterやInstagram など、SNSでのつながりが日常化している若者にとって、ネットが異性との出会いの場になることへの抵抗は少なくなってきているのではないでしょうか」(田山さん、以下同)

「Pairs」は、Facebookの登録情報をベースにした恋愛・婚活マッチングサービスだ。18歳以上の独身者であれば登録可能で、年齢、居住地、職業などの基本的なプロフィールと顔写真を登録し、Pairsアプリ上で共有する。気になる相手を見つけたら「いいね!」を送り、相手が「ありがとう」を返すとマッチングが成立し、以降は1対1のメッセージのやりとりに移る。その際に、デートの約束を取り付けることになる。

かつての出会い系のようないかがわしいイメージはゼロ

2012年のリリース以来、登録総数は延べ600万人以上。マッチング数は4300万組を超え、4万4000組ものカップルが交際・入籍しているという。かつて、このようなインターネットを介しての恋愛には、1990年代に全盛だった“出会い系”のような後ろめたいイメージがあった。しかし、最近はそんな“スティグマ”(マイナスのイメージ)も薄れ始めているのだという。

Pairs登録者の男女比は6:4。さらに年代別では、20~29歳の利用者の比率が男女ともに50%を超えているという。通勤や通学の電車の中でTwitterを覗いたり、Instagramに写真を投稿したりと、SNSのような感覚でマッチングサイトを利用する若者が多いというのも頷ける。今や、インターネットをリアルな出会いの場として活用することに、若者たちが抵抗を感じる理由はない。

「最近では、Pairsを利用する20~30代向けではなく、その親世代を対象にしたネット恋愛・婚活の講演依頼を地方自治体からいただくこともあります。都市部の若者が使っているサービスを、地方の親世代も知りたがっているとのこと。若者が少なく、出会いのきっかけも少ない地方こそ、オンラインマッチングサービスでの恋活・婚活が求められているのかもしれないと感じています」

マッチングサイトが支持される理由のひとつに、出会いの“効率性”がある。

「Pairsは機械学習を導入しており、ユーザーと相性のいいお相手を自動的に割り出します。ユーザーの登録情報やコミュニティの親和性はもちろん、自己紹介文の長短や、ログイン時間から生活リズムなどを抽出し、共通点の多いお相手ほど『相性』のパーセンテージが高く示されます。だからといって、相性のパーセンテージが高いお相手ばかりが検索時に上位に表示されるわけではなく、できるだけ自然な出会いをしていただけるよう、独自のアルゴリズムを組んでいます」

さらにPairsは、協調フィルタリングを取り入れているのも特徴だ。協調フィルタリングとは、多くの利用者の嗜好情報を蓄積して解析することにより、ある特定の利用者の嗜好を推論する技術のことを指す。

たとえばPairsでは、「いいね!」を同一の女性に送ったA氏とB氏は、好みが似ていると判断し、A氏が「いいね!」を送った女性をB氏に、B氏が「いいね!」を送った女性をA氏にレコメンドしてくれるのだ。

厳密にはマッチングサービスにおける協調フィルタリングの仕組みと全く同じというわけではないが、例としてわかりやすく表現するならば、AmazonやZOZOTOWNなどのECサイトでよく見られる、「チェックした商品の関連商品」や「閲覧履歴からのおすすめ」などが表示されるカラクリの正体が、この協調フィルタリングだ。

進化するマッチングサービスは恋愛の“Amazon化”?

テクノロジーを駆使して、必然的に好相性の相手とかなり“効率的”に出会えるような仕組みになっているPairs。男性会員は、約3000円の月額会費がかかるが、出会える人数の限られている合コン1回分より経済的だ。さらに、自分好みのタイプの異性と出会える確率も断然高い。

「若者は、恋愛・婚活に対しても合理的な考えを持つようになっていると感じます。Pairs以外にも、複数のマッチングサービスを併用して“恋活・婚活”することも当たり前ですよ」

ネットでモノを買い、手元に届けられるのが当たり前になった時代。恋愛も“Amazon化”する傾向にあるのだろうか。

「誰かを好きになり愛しいと感じる人間の感情を、数字や機械的なアルゴリズムだけで導いたりフォローするのはとても難しいと考えています。なので、利用者のサービス満足度をより高めるには、テクノロジーだけでなくカスタマーケアでのサポートが必要です。Pairsでは、カスタマーケアチームの内製化を約30名体制で進めており、利用者の声をスピーディーにサービス改善へ繋げています」

「今年6月からは従来のメールでのサポートに加えて『チャットサポート』を開始し、利用者の『気軽にちょっと聞きたい』というニーズにも応えています。お問い合わせ内容は、サービスや決済方法に関するもののほか、プロフィールの書き方やメッセージのやりとりへのアドバイスまで及びます。今後は『どのタイミングでどんなデートに誘えばよいか』といった、恋愛相談までサポートできたらいいですね。より利用者のライフスタイルと気持ちに寄り添った“マッチングカルチャー”の普及を目指していきたいです」

Amazonから届けられる商品とは違い、恋愛には、相手とマッチングした後の“その先”がある。人と人のコミュニケーションの部分まで保障してくれる「恋活アプリ」はまだ存在しないが、素敵な出会いのきっかけを与えてくれることは間違いないだろう。

参考文献:ダイヤモンド・オンライン

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